リーマン面の理論
寺杣友秀 / 本
リーマン面の理論本ダウンロードepub - 寺杣友秀によるリーマン面の理論は森北出版 (2019/11/29)によって公開されました。 これには256ページページが含まれており、本というジャンルに分類されています。 この本は読者からの反応が良く、1人の読者から3.8の評価を受けています。 今すぐ登録して、無料でダウンロードできる何千もの本にアクセスしてください。 登録は無料でした。 サブスクリプションはいつでもキャンセルできます。
リーマン面の理論 の詳細
この本を見つけたり読んだりすることにした場合は、リーマン面の理論の詳細を以下に示しますので、参考にしてください。
タイトル : リーマン面の理論
作者 : 寺杣友秀
ISBN-104627078315
発売日2019/11/29
カテゴリー本
ファイル名 : リーマン面の理論.pdf
ファイルサイズ21.87 (現在のサーバー速度は25.51 Mbpsです
リーマン面の理論本ダウンロードepub - 内容紹介 リーマン面はどのように生まれたのか? どのように利用されてきたのか? ――基礎から丁寧に説き明かす。リーマン面の起こりや複素関数論の復習から始まり,リーマン–ロッホの定理やセールの双対定理といった基本事項,周期積分やアーベル多様体,保型形式までを解説。リーマン–ロッホの定理の証明にあたっては,現代数学に欠かせないコホモロジーの理論が初歩から導入されている。このため,コホモロジー理論の理解も深まり,その有用性を実感することができる。 ***「リーマン面の理論は代数幾何学をはじめとした、多くの現代数学の入り口である。 古典論から数論・代数幾何学への橋渡しを通して、本書は現代数学への着実な アプローチを提供し、大学の基礎数学課程と現代数学の間隙を埋めるダイナミック な本になっている。」加藤文元(東京工業大学教授) ◆電子版が発行されました◆詳細は、森北出版Webサイトにて 【目次】 第1章 楕円関数の2重周期性と楕円曲線 第2章 複素関数論からの準備 第3章 リーマン面の定義と正則関数 第4章 層とそのコホモロジー 第5章 正則ベクトル束とリーマン面上の有理関数 第6章 セールの双対定理 第7章 コンパクト・リーマン面と代数曲線 第8章 周期積分,ヤコビ多様体とアーベルの定理 第9章 アーベル多様体 第10章 周期積分と微分方程式 第11章 楕円曲線と保型形式 内容(「BOOK」データベースより) 地に足のついた「本当の」リーマン面から現代数学への確かな視界を開こう! 著者について 東京大学名誉教授 法政大学教授 理博 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 寺杣/友秀 1987年東京大学大学院理学系研究科数学専攻博士課程修了。理学博士。1988年学習院大学理学部助手。1989年千葉大学教養部講師。1992年東京都立大学理学部助教授。1995年東京大学数理科学研究科助教授。2007年東京大学数理科学研究科教授。2019年東京大学名誉教授、法政大学理工学部教授。一般社団法人日本数学会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カテゴリー: 本
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リーマン面とそれに関連する分野は古典的な数学理論の最高峰のひとつである。コンパクトリーマン面(「閉リーマン面」とも呼ばれる)の関数論には、与えられた特異性をもつ有理型関数の存在をまず確立し、それに基づきリーマン-ロッホの定理を証明する「古典的アプローチ」、あるいは層のコホモロジー理論に基づきリーマン-ロッホの定理を確立し、その系として有理型関数の存在を導く「現代的アプローチ」、の二系統のアプローチがあることは良く知られている。複素幾何や代数幾何における層係数コホモロジーの重要性から、現在ではリーマン面の理論においても後者のアプローチが標準的と考えられている【双方のアプローチを学び、それらの特徴を比較・評価できることが望ましいのは言を俟たないだろう】。本書でも層とそのコホモロジー理論を用いて、閉リーマン面の基本事項が叙述されている。本書を一読して気づいたことを述べたいと思う。まず、本書には一見して、おかしい、間違っている、と気付く誤記・誤植が至る所に見られる【出版前にキッチリ校正されたのか、と疑いたくなるようなレベルである】。読者は増刷の機会まで待てないので、出版社はサポートページに誤記・誤植の訂正情報を公開すべきではなかろうか。次に、印象に残ったことや今後の勉強に繋がりそうなことなどを以下に述べたい。最初の三つの章で、解析関数が定義される領域として複素平面の領域だけでは不充分であり、それに相応しい領域としてリーマン面が考案・導入されたことが解説されている。楕円積分の逆関数を導入の例としている所は、難波誠『複素関数 三幕劇』と似た趣向が感じられる【難波先生の本ではヤコビの楕円関数が、本書ではワイエルシュトラス流の楕円関数が扱われている】。第3章では、平面曲線でヤコビアンの判定条件を満たすものは閉リーマン面であること、超楕円曲線の正則微分形式の基底の構成例や非特異平面d次曲線の正則微分形式の基底(種数g = (d-1)(d-2)/2個だけある)がポアンカレ留数から構成できること、その例としてフェルマー曲線の正則微分形式の基底が構成できること、などが述べられており興味深い。続く三つの章では、層とコホモロジー理論を用いてリーマン-ロッホの定理とセールの双対定理の証明が目標とされている。第4章「層とそのコホモロジー」は、分かり易くコンパクトに良くまとまっている。第5章ではとても重要なことが叙述されている。閉リーマン面X上の正則ベクトル束はX上の局所自由Ox加群の層と1対1に対応する。特に、階数が1の場合、X上の正則直線束の同型類、可逆層の同型類、因子の同型類(= 因子類群)は全て同型であり、構造層Oxの可逆元がなす部分層Ox*の1次コホモロジー群H1(X,Ox*)(「ピカール群」と呼ばれる)で表される、という事実を確実におさえておきたい【評者はこれを閉リーマン面における「三位一体」と呼ぶのが相応しいと考えている】。閉リーマン面のドルボー・コホモロジーの有限次元性を楕円型作用素のフレドホルム性から導いていることにも注目したい。フレドホルム性の証明も付録Dで与えられている。第6章ではセールの双対定理のかなりモダーンな証明が述べられている。カップ積という双1次形式と跡写像(「留数写像」ともいう)を合成すると非退化な双1次形式が得られ、カップ積をとる二つのコホモロジー群がベクトル空間として双対同型になる、という主張である。初学者の方には、ここでの証明は見かけ以上に難しく感じられるかも知れない。そのような場合、例えば小木曽啓示『代数曲線論』の6.3節や堀川穎二『複素代数幾何学入門』の6.4節の説明が参考になると思う。第7章と第8章では、閉リーマン面に対応する非特異射影代数曲線と1変数代数関数体との関係、いわゆる「三位一体」理論、および周期格子から定義されるヤコビ多様体と因子に拡張されたアーベル-ヤコビ写像の核を特徴付ける「アーベルの定理」が述べられている。三位一体の三つの対象が本質的に同値であることをキッチリ証明している成書は意外に少ない。評者が読んだことがある書では、R.C. Gunning『Lectures on Riemann Surfaces』の§10、堀川先生の本の第6章、今野一宏『リーマン面と代数曲線』の第4章と第7章、などに叙述されている。アーベルの定理は、「0次因子Dが主因子である必要十分条件は、因子に拡張されたアーベル-ヤコビ写像でDがヤコビ多様体の原点(周期格子上の点)に写されること」を主張しており、ヤコビ多様体Jac(X)が次数0のピカール群Pic0(X)と同型であるという結果も納得できると思う【主因子(f)に対応する可逆層Ox((f))は構造層Ox(と同型)であり、対応する直線束は自明束X×Cであることに注意したい。上述した閉リーマン面における「三位一体」の関係で、これらが自在に読み替えられることが素晴らしい所なのだと理解できると思う(*1)】。最後の三つの章では、閉リーマン面上の周期積分に関わる話題が扱われている。第9章では、閉リーマン面の周期行列においてそのB周期が正規化されると、A周期からジーゲル上半空間の点(虚部が正定値のg次対称行列)が現れ、そこからリーマンテータ関数が定義され、ヤコビ多様体が射影空間に埋め込めるという周知の結果が主偏極ホッジ構造を持つアーベル多様体の場合にも成立することが解説されている。因子に拡張されたアーベル-ヤコビ写像の全射性(ヤコビの逆問題)をリーマンテータ関数の零点因子を用いて解決するリーマンの素晴らしい結果にも言及されていると更に良かったと思う(*2)。第10章では、パラメータλに依存する閉リーマン面の複素解析族の周期積分が満たす微分方程式がガウス-マニン接続の水平切断として捉えられ、周期積分が水平切断の係数として現れることが解説されている。この章はかなり難しいので、一般の読者の方々は、例として挙げられている楕円曲線の族に対する周期積分の実例を理解できれば良いのではないかと思う。第11章では、楕円曲線のj不変量に関わる話題と楕円曲線の周期(正規化して1とτ)からワイエルシュトラスのp関数を用いて元の楕円曲線が平面3次曲線として復元されるという良く知られた結果が解説されている(*3)。最後に、フェルマーの最終定理の解決に大きな役割を果たした「志村-谷山予想」にも言及されている。この予想が「モジュラリティー定理」として解決された意義をぜひ理解したい。本書を読了された方に、Diamond-Shurman『A First Course in Modular Forms』という素敵なテキストを参照されることをお薦めしたい。アイヒラー-志村対応につき詳述されている稀少な成書である。【付記、ご参考まで】上述したように、リーマン面の理論は古典的アプローチと現代的アプローチの双方を学ぶのが良いと思う(*4)。この分野で評者が目を通したことがあるテキストから良書と思われるものを幾つか挙げてみたい。どれか一冊に特定できないのが辛い所であるが、中井、今野、小木曽の各先生の著書のあとがき・参考文献に今後学習すべき著書とその特徴が記述されているので、参照されると参考になると思う。(古典的アプローチのテキスト)楠幸男 『函数論』、Farkas-Kra 『Riemann Surfaces』、中井三留 『リーマン面の理論』、今野一宏 『リーマン面と代数曲線』(現代的アプローチのテキスト)R.C. Gunning『Lectures on Riemann Surfaces』、『Lectures on Riemann Surfaces: Jacobi Varieties』、O. Forster『Lectures on Riemann Surfaces』、堀川穎二『複素代数幾何学入門』、小木曽啓示『代数曲線論』【追記: 2019.12.17、(*4)追記: 12.22】 以下に述べる事柄は経験者には良く知られており、改めて述べるのは蛇足かも知れないが、(*1)~(*4)として追記したいと思う。(*1) リーマン面X上の正則直線束の同型類、可逆層の同型類、因子類群は全て同型であり、H1(X,Ox*)とも同型であり、ピカール群Pic(X)と呼ばれることは本書に叙述されている通りである。これら各々に次数が定義され、次数0のそれらの部分群も全てPic0(X)と同型になる。因子で考えれば0次の因子類群Cl0(X)、可逆層で考えれば次数0の可逆層がなす加群(本書でのPic0(X)の定義)である。Pic0(X)がヤコビ多様体Jac(X)と同型であることを考えると、0次の因子類群Cl0(X)とJac(X)は同型になる筈である。既に気づかれたと思うが、アーベル-ヤコビ写像がこの同型写像を与えており、アーベルの定理が写像の単射性を、ヤコビの逆問題の解の存在定理が写像の全射性を保証しているのである【(*2)の記号を使うと、Jac(X) = Wgである】。(*2) 周期写像に関するトレリの定理とリーマンテータ関数のテータ因子Θとの深い関係も興味深い。種数gのリーマン面のモジュライ空間Mgから主偏極アーベル多様体のモジュライ空間Ag(= Hg/Sp(2g,Z))への写像周期Φ: Mg→Ag、Φ(X) =(Jac(X),Wg-1)(Wg-1はXのg-1次対称積のアーベル-ヤコビ写像による像)に関し、「トレリの定理」はΦが単射であること、即ちJac(X) とその部分多様体Wg-1が与えられると元の閉リーマン面Xが復元できることを主張している。テータ因子ΘはWg-1をリーマン定数だけ平行移動したものであるので、(Jac(X), Θ)のペアから閉リーマン面の双正則同型類が決定されるとも言える。このあたりの詳細は、例えば今野先生のテキストを参照されると良いと思う。(*3) ここでの楕円曲線の復元は、種数が1の場合のトレリの定理に相当することに注意したい。正規化された周期(1,τ)に対し、τの存在域A1は複素上半平面に作用するモジュラー群の基本領域と考えてよい。この周期(1,τ)からp関数とその導関数をアフィン座標にもつ周知の射影3次曲線Eが構成され、Eに対応するリーマン面Xが(双正則同型類のなかで)一意に特定される【リーマン面を復元するだけなら、(1,τ)を周期格子の基底とするヤコビ多様体そのものと言えば良いが、対応する楕円曲線を具体的に求められるのが面白い所だと思う】。(*4) 【古典を学ぶ意義】 今日の私たちは、層のコホモロジー理論を用いてリーマン-ロッホの定理を学び、その一つの系として閉リーマン面上の有理型関数の存在定理を教わることが多い。リーマンなどの古典を学ばなければ、閉リーマン面上に(与えられた特異性をもつ)有理型関数が存在するという定理の素晴らしさ・重要性を充分に認識できないかもしれない。アーベルやガロアの代数方程式研究の素晴らしさを、整備されたガロア理論から帰結されるものだけでは正しく認識できないのと同様であろう。
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